12/23 松坂大輔とジャイロボール
Washington Post紙からですが松坂とジャイロボールについての記事がありました。
ジャイロボールについて検索している人も最近増えているようだし、記事自体なかなか興味深いので訳してみました。
松坂の獲得でレッドソックスとヤンキースのライバルは太平洋を越えたものとなってしまった。それにこれでレッドソックスの先発陣は球界屈指のものとなったのだ。
しかし少なくとも野球ファンなど少数の人にとって一番興味があるのは松坂の到来によってジャイロボールという魔球が見られるかもしれない、ということであろう。
ジャイロボールは日本の物理学者 ヒメノ・リュータロウ氏が野球トレーナーのテヅカ・カズシ氏の助けを得てスーパーコンピューターで作り出したのが初めだ。この様子は2001年の本『魔球の正体』でよくわかる。
ジャイロボールの論理は他の球と違って思い切りドロップするか左右の揺れが著しく大きいかどちらかだ。それはファストボール、カーブのバックスピンというよりフットボールがスピンするような、銃弾のようなものだ。
「それだったら10分で教えてあげるよ。」ピッチングに関する怪我では第1人者でBaseball ProspectusのライターでもあるWill Caroll氏はアメリカではジャイロボールにかけては一番詳しい。
「マスターするって?それにはもっと時間がかかるね。」
新種の球は三冠王達成と同じくらいまれなもんだ。1970年代、Bruce Sutterが投げたスプリットフィンガーファストボールが最後の新種だった。だからこそジャイロボールを投げるといわれる松坂の到来はCarrollのようなジャイロボール信者を大興奮させるのだ。
しかしジャイロボールって本当にあるのか?本当に新しいものなのか?
「そんなものはない」元レンジャーズ、メッツの監督で現千葉ロッテ監督のボビー・バレンタインは言った。
「ジャイロボールなんてない。誰が作り出したのかもしらない。」元メジャーリーガーで今は日本の野球選手についてのスカウティングレポートをメジャーリーグのチームへ供給しているスカウト会社を経営するMike Pagliaruloは言った。「松坂は他の選手と違うボールなんて投げない。あ、それにマントも羽織っちゃいないし、飛ばないぜ。」
「それはスクリューボールだと思う。」WBCでUSチームの監督をしたBuck Martinezは語った。
「チェンジアップだろ。」イェール大物理学教授で『野球の物理』の著者であるRobert Kemp Adairは言った。「そんなもんナンセンスだ。」
イリノイ大の物理学教授で野球の物理学に詳しいAlan Nathan「あれはどちらかというとカットファストボールに近い。でももっと落ちるんだ。」
間違いなく、文化、言語の違いから混乱は生じている。ヒメノとテヅカの本は英語に完訳されることはなかった。松坂はその球については1回だけアメリカのレポーターに話したことがある。しかも通訳を通じて。それはWBCの最中の3月のことであった。『あ、はい。ジャイロボールを投げるようにしています。試合では投げたことあります。でもたくさんじゃない。たまに偶然で投げます。』
まだあります。時間がないので<続く>
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