Interview with Red Sox Farm Director Mike Hazen
John SicklesさんとレッドソックスのファームディレクターMike Hazenさんのインタビュー。
Interview with Red Sox Farm Director Mike Hazen
JOHN SICKELS:15年くらい前スモールマーケットのクラブにとって最大の悪夢はビッグマーケットクラブがファームシステムに力を注ぐことといわれていた。70、80年代は、資金はフリーエージェントに注ぐものだったじゃないか。ところがここ2、3年、レッドソックスはその悪夢のアプローチをしている。膨大な資金をドラフトとファームシステムに注いでいる。これでベテランをトレードで獲得するにしても十分のチップもできるわけだが、必要とあれば内部から昇格することもできる。豊富な資金を利用してドラフトではスロット以上払ったりするのはじっくり練った戦略ですか。それともたまたまそうなった?
MIKE HAZEN: もちろんこれが戦略だ。最初から関わったわけじゃないが、意識してこういうことをしている。TheoがGMになったとき、初日の記者会見で選手の養成マシン(player development machine)を構築することがメインビジョンだと言っていた。それを行わないのは不適切であるし、毎日そのビジョンに向けて戦っている。プレイヤーの養成についてはどのチームも同じチャレンジにぶつかっている。ファイナンシャルでもそれ以外でも資源があるなら使わないわけにはいかない。
ファームシステムの最初のタスクはフロントオフィス、コーチ、マネージャー、スカウト全員が選手をドラフト、契約してインパクトのある才能を伸ばすことである。我々はドラフトでは国内に集中するが海外のマーケットにも目を向けている。ラテンアメリカ、アジアなどだ。単に契約するだけじゃない。契約後は選手に投資している。私たちの目的は毎年勝てるようなクラブを作ることだ。毎年ワールドシリーズに出られるようなチームにしたい。すべてをコントロールすることはできないが、できることはすべてしたいと思っている。
JOHN: えぇと、いい例はライアン・ウェストモアランドですかね。BAではレッドソックスのトッププロスペクトと評価され、私のプロスペクトリストでもNo. 1だ。自分のような部外者から見ると彼の獲得と言い、彼がどんな選手かと言い、すごくいい例だと思う。ウェストモアランドはドラフトではスロット以上で、ドラ5で$2M払って進学をあきらめさせた。それに彼はロードアイランド出身のローカルボーイだ。ツールはすばらしいし、年齢の割りにスキルは揃っている。
MIKE: ライアンはまさしく私たちが望む選手だった。スカウトは彼の契約性についてしっかり把握していたおかげで彼を獲得することができた。彼は素晴らしいアスリートで年齢の割りに磨かれている。才能はあふれていてスピードもパワーもある。
JOHN: 2010年はどこで開幕すると思う?アグレッシブに昇格させますか?
MIKE: それはまだ答えられない。スプリング・トレーニングで様子を見ないと。言えることはライアンの体調がものすごくいい、鎖骨の骨折はすっかり完治してそれで遅れることもない。でもどこに行かせるかはスプリング・トレーニングで見ないとわからないよ。打席では人より上達したアプローチをしているから少し上にとも思うけどまだそれを決めるには早すぎる。彼はプロではまだ半年しか過ごしていないしな。チャレンジにどう反応するか見ないと。
JOHN: でも選手にとってどのレベルならチャレンジだ、と決められるんですか。チームによっては選手をさっさと上げたり、そうでもなかったりする。そのバランスはどうしてますか?それは組織的なアプローチとか?
MIKE: そう、バランスだ。各チームいろんなアイデアがあると思う。うちはプレイヤーごとに見ている。いろいろなことを考慮に入れないと。プレイヤーにとってどれがちょうどいいか見極めるためコーチ、マネージャ、フロントオフィスから意見を聞いている。プレイヤーとも話をしている。彼らを圧倒したくないがきちんと向かい合わないといけない。もし誰かが毎試合4の3だったら大して学ばないかもしれない。多くの場合選手は困難から何かを学び取る。もしマイナーでそういうことがないとしてもメジャーでは間違いなくぶつかるだろう。時に苦しんでるときこそ学ぶものだ。選手がもがき苦しむのを見るのは辛い、しかしリバウンドしたときは見ものだ。ライアン・ケイリッシュはAAで2ヶ月厳しい時を過ごした。しかしそれを見事に克服した。それがメジャーリーガーになったときの助けになってほしいと思っている。
JOHN: ケイリッシュについても聞きたかったんだ・・・ウェストモアランド同様、ケイリッシュにはツールもスキルもあるね。
MIKE: そう、去年アプローチを向上させてスキルにフォーカスしたおかげでずいぶん伸びた。初めてAAに来たときはうまくいかなかった。選手が苦しむのを見るのは楽しくない。選手だって楽しくないに決まってる。でもスキルの上達に集中したら穴から抜け出し軌道に乗ることができた。次にマイナーでもメジャーでも苦しむときが来たとき、この経験を生かしてその問題を克服してほしいね。
JOHN: 苦しんでいるときはどうやって助けるのですか?
MIKE: 問題を解決しようとできるだけのことはする。しかし育成という意味では選手の気持ちがどうなってるかを理解しようとしている。彼は何を考えているだろうか。苦しんでいることに対する感情はどう抑えているだろうか。これがメジャーでは大きい。問題に打ち勝つ力がないと。
JOHN: 去年問題があった選手にラース・アンダーソンがいるが、私は08年は彼をとても高く買っていたが09年はずいぶん違っていましたね。
MIKE: ラースはいいときと悪いときの波がある。彼にはいまでも楽観的でいる。彼はとても才能あるし、スキルとツールはあるし、ストライクゾーンもきちんとコントロールできている。スウィングそのものもいいしパワーもある。去年の経験がこれを肥やしにいつか09年を振り返っていい経験だったと思えるようになってほしい。プロ野球の世界はとても厳しい。辛抱が必要だ。一直線に育つのはほんの一握りだ。パペルボンのようにまっすぐ伸びるのはほとんどいない。ほとんどはいいとき、わるいときがあるものだ。
JOHN: もう時間がないけどあと2人について聞きたい。まずケイシー・ケリーだ。ピッチャーとしては素晴らしかったけど打つのはだめだと思う。彼はピッチャーになると決めたか?
MIKE: 彼はピッチャーになる。彼はそれを楽しみにしている。ドラフトではピッチャーのほうがバッターよりいいと思っていた。でも公平に見たかったし彼は打ちたがっていた。だからどんなもんか見てみることにしたのだ。彼はそれをプロらしくうまくこなした。とても大人っぽかった。その後どちらのポジションのほうがよかったかフィードバックを求めてきたので彼に伝えた。ケイシーはメジャーリーガーになりたがっている。彼はいいピッチャーになるチャンスがあると思っている。
JOHN: ホセ・イグレシアス、キューバのショートストップはやはりファイナンスを利用して獲得した例だけど彼の守備は素晴らしい。でも打つほうはどうかな。
MIKE: 彼のオフェンスについて判断するには早すぎる。彼にはいいところもある。短くてシンプルでコンパクトなスウィングは調整する必要もない。アプローチを上達させてストライクゾーンを見極めることが必要だ。でも彼はとても若いし視覚と手の協調関係はすごくいい。守備はエクセレントだ。
JOHN: 文化についての調整は?みんなは簡単ぽく言うけど実際どれだけたいへんかわかっていない。ドミニカンやベネズエランにも十分たいへんだがキューバの文化はもっとたいへんだと思う。
MIKE: うん、それは本当だ。そういうことは見過ごされたりする。落ち着けるようになるまではチャレンジだ。物事がどう機能するかわからなかったり食事は違ったりだ。同時にフィールドではうまくやれと言われる。簡単なことじゃない。しかし我々はホセがよくやってくれているのでうれしい。すごく賢くて英語もどんどん覚えている。彼はアメリカで生きることがフィールドでプレイすることと同じくらい重要と知っている。彼はその点すごい。
JOHN: マイクさん、もっとたくさん聞きたいけどもう時間はないですね。インタビューありがとう。
MIKE: どういたしまして、ジョンさん。
長いインタビューだけど内容が濃いです。さすがジョンさん。質問がどれもツボを抑えてる・・・