2007-01-17

松坂は野茂の成績を目指せ!

なんて記事をESPNのRob Neyerさんが書いてます。


グレッグ・マダックス、バリー・ジト、ホセ・メサには敬意を払うとして、このオフのHottest Pitcher獲得合戦の勝者は明らかだ。この栄誉はボストンの$103.1Mマン、松坂大輔に与えよう。レッドソックスが単に松坂と交渉するためだけに他チームをはるかに凌ぐ金額を払っただけでなく、松坂には即戦力になるよう期待している。

レッドソックスは松坂を獲得しgoodなピッチャーを獲ったと思っていることであろう。しかし彼はどのくらいgoodなのか?彼はサイ・ヤング賞を狙えるか?それとも単に2番、3番手のピッチャーか?松坂はメジャーリーグの試合では1球も投げたことがないという簡単な理由で名言できる、という人は少ない。

しかし彼の力について何も証明するものはないのか?そんなことはない。みんな見る眼を持っているし、松坂が素晴らしいピッチャーだとわかっている。それにスタッツだって知っている。"The Monster"は未だにメジャーリーグで投げていない。しかし日本のメジャーとアメリカのメジャーリーグの間である程度の相互交流があるのは確かだ。日本でのスタッツを翻訳することができる。。。そして松坂と野茂英雄という興味深い比較ができる。。。野茂は26才のとき日本ですばらしピッチングをしていた。

1994年、野茂は肩に怪我をして引退した。というか当時の規則には穴があって「引退した」選手はFAとなってどことも契約できるのであった。

野茂はメジャーでは日本人として2人目のプレイヤーであった。先発投手では初めてだ。誰もどうなるかわからなかった。ほとんど全員が世界で最高の打者を相手にするには相当の調整が必要と思っていた。日本にいたよりアメリカでのほうがいいだろう、なんて誰も予想していなかった。しかしそれがまさしく野茂のしたことだ。ドジャースでの最初のシーズンで野茂は2.54 ERAを記録、日本にいたときよりいい成績であった。以下が日本での最後の3シーズンとNLでの3シーズンの成績だ。

........... IP ERA BB/9 K/9
Pacific Lg. 574 3.63 5.5 9.9
National Lg 627 3.34 3.7 10.1

どういうわけか四球の率を大幅に下げている。これがERAの低下につながっている。この選手がタフなバッターを相手にどうして向上したのか説明できるか?理論付けることはできる。多分野茂は健康にもっと注意してもらったんだろう。それかコーチがよかったか、負担が少なかったか。それともたまたま調子がよかったのか。

こちらは野茂の日本での最後の3シーズンと松坂の最後の3シーズンだ。

....... IP ERA BB/9 K/9
Nomo 574 3.63 5.5 9.9
M'zaka 545 2.41 2.1 9.1

明らかに松坂のほうがいい。イニングとストライクは野茂のほうが少しいいが、ERAと四球は松坂のほうがずっといい。もちろん、ボールパークやリーグのことなど考慮していない。だからこの比較はたいしたことないかもしれない。野茂と松坂がアメリカに来るのがほとんど同じとしても二人はまったく違うタイプだ。野茂の持ち球はフォーク、スプリッター、まずまずのファストボール、そんなもんだ。松坂の球種の数の多さは有名だ。ファストボール、スプリッターはもちろんのこと、チェンジアップ、スライダー、カーブ、カッター、シュートもある。

しかしここでのポイントは日本で最高の先発ピッチャーがメジャーリーグに加わるということだ。野茂は最初の3シーズン(1995-97)に703三振を奪っている。この間、ジョン・スモルツだけが野茂より多い710奪三振をしている。野茂の下にはペドロ・マルチネス(701)、ロジャー・クレメンス(681)、ランディ・ジョンソン(670)がいた。

松坂の日本での数字だけ見ると彼は野茂のようになると思うか?以下が2007年の松坂を予測した表だ。

...................... ERA IP BB K
Baseball Forecaster 3.46 185 51 196
Baseball Prospectus 4.01 182 51 162
Baseball Primer (ZiPS) 3.44 186 34 131

もし松坂がこの平均のパフォーマンスをするならALのERAランキングのトップ10に入るであろう。レッドソックスは十分な見返りがもらえるわけだ。野茂の初期の成功をかんがみて、松坂が相手にするバッターが日本でよりずっと難しいと感じるとは思えない。

しかしここで疑念を持つこともあるわけだ。野茂は最初の年にオールスターに選ばれた。2.54 ERAとリーグ最高の三振数でROYにもなった。2年目は三振ではリーグ2位、Coors Fieldでノーヒッターを達成した。しかしその後は01年と03年のときどきのいいピッチングを除いてはエースとなることはなかった。レッドソックスは松坂と6年契約をしている。$51Mのポスティングフィーの帳尻を合わせるには長期契約が必要だったのだ。日本のピッチャーは誰一人として何年も続けてイフェクティブだった例はない。野茂ですら、だ。総額$100Mの投資したのだからレッドソックスは少なくとも4年は優秀でいてくれると期待している。07年と08年、レッドソックスの連中は松坂に震えることであろう。しかし09年以降はどうなるか僕にはわからない。


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9 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

松坂は、単に良い成績を残すだけではなく、長期的に安定した良い成績を求められるわけですね…。(^^;

やっぱり気になるのは、 1 日 100 球を目処に交代することが、松坂にどう影響するかですかね。

匿名 さんのコメント...

いつかは書かれると思っていたNomoとの比較がやっと出ましたね。松坂に強い精神力があればサイヤングも狙える素晴らしい成績を出せるでしょう。nomomaniaとしても期待しています(2001年はBOSのカラーにあおられてか?NoNoと三振奪取のイメージがありますが、2002年の方がずっと安定していたと、突っ込み入れときますが^^);。2002年はケビン・ブラウンがエースでしたもんね。)ブラウンも故障に泣きました。
松坂に期待するのは健康です。それだけあれば成功間違いないと期待してます。

bmb さんのコメント...

hagedarumaさん

6年といえば長いですからね。ファンとしてはまず健康でいてほしいです。

nomannyさん

ついに野茂の名前も出てきたわよ~
松坂は彼以上の成績を期待しても大丈夫よね。

全裸の会 会長 さんのコメント...

野茂も松坂も日本では投球数の面で酷使されることがあったがメジャーではその心配はないから安心してます。

長く活躍した先例がないとはいうものの、いったい何人の日本人ピッチャーがローテーションを守ったのか、わずか数例で判断するのはいかがと思いますね、懸念が無いと言えば嘘になりますが、6年の活躍なぞ松坂にとってはたやすいことと判断いたします。

bmb さんのコメント...

会長さん、

ケガの懸念は誰にでもあることですもんね。
6年契約を長すぎると思ったことはないです。

匿名 さんのコメント...

 さすがRob Neyer、読ませる記事を書きますなぁ~
 先発のローテを守って6年間で1200ipを投げきれば、確かに51Mのポスティングも安いってことになりますもんね。6年の契約が終了しても、松坂はまだ32ですから、1200ipは十分に狙える数字でしょう。野茂がデビューしたとき以上の衝撃を松坂が生み出してくれる事を期待しています。
 でもRobはジャイロについては触れてませんでしたね。

bmb さんのコメント...

tamaさん、読ませるは読ませるんですけど訳すのたいへんでした(^^;

>ジャイロについては触れてませんでしたね。

ですね。球種のところでシュートってボールはアメリカに存在しないから"shuuto"って表記されるんですよ。ちょっとおもしろい。

匿名 さんのコメント...

>球種のところでシュートってボールはアメリカに存在しないから"shuuto"って表記されるんですよ。
シュートは和製英語だったんですね。いままで知りませんでしたわ~。RobNeyerの記事では、Shuutoの部分がwikiにリンクしてあって笑ってしまいました。日本版wikiでは、「米国では、高速シンカーと呼ばれることもあるが、多くの場合日本で言うシュートはファストボール(fast ball)に分類され、ツーシームの派生とされる」と書いてありました。勉強になりました。

bmb さんのコメント...

tamaさん

前もレッドソックスのファンフォーラムで「松坂はshuuutoを投げる」って書かれていて「そういえばこっちじゃ聞かないな」と思っていたのです。該当する球種があるのかと思ったらないんですね。誰がシュートと名づけたんでしょうか。