2008-04-04

レッドソックスとファームシステム その3

Player Development - Part 3: Sox aimed at consistent approach
By ALEX SPEIER
New Hampshire Union Leader Sports

レッドソックスのファームシステムのオーバーホールはまずアイデアから始まった。
02年に引き継いだときのファームシステムははっきりとしたビジョンに欠けていた。

元レッドソックスのGM、ダン・ダーケットは新しいボールパークの計画とクラブの身売りを手助けしていた。彼の焦点はファームシステムからそれていた。

「みんなダンがやりたいと思うことをやろうとした。しかし彼の力では選手を養成することはできなかった。」とダーケットのアシスタントGMで02年は臨時のGMを勤めたマイク・ポートは言う。「時にみんな最善を尽くそうとしたが目標には届かなかったかもしれない。」



チームの主導権が変わった後、ソックスはシステムを上から下まで完璧に再構築しようとした。チームは基準としっかりとした教育哲学を作りたかったのだ。

Theo「僕たちには目標とするシステムに対するビジョンがあったのだ。それは他の組織が持っているのと大差はない。それはリーダーシップを取る人を集められるかどうかだ。」

レッドソックスはベン・チェリントンに理論を現実のものにするよう託した。彼は02年に選手養成部門のアシスタントディレクターに任命されたが、その翌年、ディレクターに昇進した。彼はプロスペクトの扱い方を簡単だが奥の深いやり方で変えた。02年以前、レッドソックスはいつかビッグリーガーになれそうな選手にフォーカスを置いていた。ポート「オーナーシップが変わる前は質より量のほうが大事だった。」

チェリントンは両方のゴールを達成するできるようなシステムの構築を任された。ソックスは選手の才能を見逃すようなことはしたくなかった。たとえばSSのデビッド・エクスタインはウェイフされたところエンジェルスに獲られ2002年のワールドシリーズではカルトヒーローとなっていた。チェリントン「一人一人を最大まで育てたい。それはメジャーリーグで10年活躍することかもしれないし、シングルAが最高かもしれないが。契約した選手には誰でもチャンスを与えるべきと思っている。」「それにビジネスで言えば選手はレッドソックスの資産だ。我々にはその資産を最大限にする責任がある。」

チームが信じるコミットメントはかすかだったが意味のある結果になった。ジョナサン・パペルボンは別としてそれ以外のエリートコースから外れた選手も自慢に思っている。ケイソン・ギャバードはそんな選手だ。2000年のドラフトでは29巡のピックで、肘のケガに泣かされ続けた。そういうピッチャーをあきらめるのは簡単だ。しかしレッドソックスはあきらめず、去年4勝0敗、ERA 3.73という実りを得ることができた。

同様にマニー・デルカーメンもかつてケガとパフォーマンスで苦しんだが辛抱強く支えたおかげで今はチームにインパクトを与えてくれる選手の一人である。

成功しなかった選手だからと見切りはつけない。その代わりチームは自分たちの役割を検証する。

「『あいつはだめだ』というのはうちのカルチャじゃないんだ。それは許されることではない。」とファームディレクターのマイク・ヘイゼンは言う。「それより顕微鏡を自分に向け、『別のやり方があったんじゃないか?GCL(ルーキーリーグ)やスプリングトレーニングでの原動力はなんだ?あれは選手の養成に役立たなかったのか?』」

また、チームは「ストリームライン」といわれるインストラクションをマイナーの下のレベルからメジャーまで通して実行させている。300ページのマニュアルでは組織内の各コーチによって原理を定義している。

チェリントン「メッセージが一定していれば選手を育てるチャンスは最大になると思っている」。「これは簡単ではない。もしメッセージがレベルによって違うならほんとに難しいことになってしまう。これについてはほんとに力を入れた。」

最近になって、チームは体力、メンタル、メディカルでも選手をサポートする体制を作った。2006年からヘイゼンとベースボールオペレーションのディレクター、ブライアン・オハローランの命令により、レッドソックスはプレイヤーのフィールドでのコンディションを保つようにしている。これらのエリアにした投資の結果は明白だった。マイナーリーグシステムでの腕のケガの比率は最低であった。

これはレッドソックスがマイナーリーガーに対して成し上げた成果だ。長年の努力の結果、ソックスのファームシステムはしっかしした主義の下、うまくオペレーションされた。

自画自賛してもいいのに、彼らは過去6年間でのファームシステムのオーバーホールからレッスンを学ぶことを選択した。

チェリントン「最初ファームディレクターとして仕事に就いたときはファームシステムを構築するってことはゴールがあると思っていた。しかしわかったのはこれがゴールじゃないってことだ。これは生きて息をしていて常に新しいアイデアを注いであげないといけないんだ。このシステムにこれを実現させてくれる人材がいることを誇りに思う。」




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